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Books&Music 視聴覚室

読んだ本、聴いた音楽、観たフィルムなどについて




(Book) 源氏物語の色辞典   吉岡幸雄 著

「桐の襲(かさね)」「藤の襲」ときいて、すぐに色が浮かぶでしょうか?私は浮かびませんが、平安王朝のやんごとなき方々はすぐに浮かんだに違いありません。ぱっと見はそっくりなのに、よく見ると数色が違い、しかもそのために明らかに印象が異なる色がさねです。桐の方は控えめで奥ゆかしく、藤の方は鮮やかで若々しい。何が違うのかと言われてもほとんどわからないほどの違いなのに、です。

桐壺の更衣と藤壺中宮の違いを平安時代のやんごとなき読者たちは、文字だけでなく視覚でも理解していたに違いないと確信させるところでこの本ははじまります。平安における染色についての辞典であり、当時の人々の自然との関わりに関する解説書でもあり、さらにいえば現在へと至る伝統工芸である和染めについての貴重な資料集ともいえるでしょう。

それにしても平安の人々の使っていた言葉と色彩感覚のなんと豊かな事でしょう。私たちが「赤」「緑」などとと言い切ってしまう色についてどれほどの愛着と言霊を操っていた事でしょう。そして、その色の魔法は、二種類の似て異なる紫から始まり、鮮やかなる368色もの色をたどった後に、ほとんどの色彩を消した滅紫という黒に近い紫色で終わるのです。うたかたの夢の世界が見事なまで収束するさまが、紫式部の私の知らなかった色遣いというたぐいまれな才能を示しているようです。そして、染色家ならびにやはりストーリーテラーとしてのこの著者の才能にも思わずうなさられました。この本は、目で見なくてはわかりません。そして源氏物語もこうした色を目で見なくては理解できない世界なのかも知れません。

written by polepole, published on 01. 09. 2010




(Film) Sostiene Pereira   R. Faenza 監督

日本語どころかドイツ語やフランス語の吹き替えすらも出ていないイタリア映画です。戦争に心と体を踏みにじまれ、傷ついた人々とそれに抵抗する事を選んだ作家のお話、という事みたいなのですが、実はよくわかっていない私。単に連れ合いが欲しがったのでアマゾンで入手したのです。で、さすがにそんなイタリア語は聴き取れるはずもなく、まともに観てもいないのですが(戦争ものって結構痛い映像が多くて苦手)、とにかくサントラが印象的です。主題歌がしつこく流れるばかりと言ったらそれまでなのですが、これがまた耳に残るんです。

written by polepole, published on 01. 09. 2010

 

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