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Books&Music 視聴覚室

読んだ本、聴いた音楽、観たフィルムなどについて




(Book) リンゴが教えてくれたこと   木村秋則 著

絶対不可能といわれたリンゴの無農薬・無肥料栽培に成功した農業家による自然と農業の話です。

「私の体に米一粒、リンゴ一個も実らせることはできません。私たちはただリンゴの木やイネが生活しやすい環境を作っているだけ、ということを忘れてはいけないと思います。(本文より)」という言葉がこの著者の偉大さを表していると思います。自分が成功した偉業を自慢するようなことはなく、ただ、人間と自然がどのように共生して、それによって農家としての自分が利益を得ることに感謝する謙虚な姿勢、これは農家だけでなく全人類が本来持つべき姿勢だと思い、私も深く反省した次第です。

私の近所のリンゴの木には浴びただけで健康を壊すような農薬はかけていないと思います。というのは、どこの家庭にあるようなリンゴの木でも同じようなリンゴが実りますが、リンゴに農薬をかけないといけないなんて話はきいたことがないからです。リンゴの下にはごく当たり前の雑草が茂り、そこには時々乳牛が放されてそれが適度な雑草とり兼肥料やりになっているようで、農家のリンゴも家庭のリンゴも森の外れに何故か生えている野生っぽいリンゴも同じように小ぶりのリンゴを実らせるのです。

スイスのリンゴは、間引きもしないし、特別な肥料もやらないので日本のリンゴほど大きくも甘くもありません。でも、自然の営みの中で豊作になったりそこそこの収穫になったりを繰り返しつつ、毎年とてもナチュラルに実っていくのです。私はこのリンゴの姿しか知らなかったので、日本の甘くて大きいリンゴと比べてスイスのリンゴはダメなリンゴだと思っていました。でも、本当は甘くて巨大で、でも、絶対に皮を食べてはいけないような果物がよりいいなんて事はないのです。

いびつなモンスターを作り出すのは、人間の欲深さゆえです。何もかもお金になればそれでいいという人間の傲慢さに、人間が自らを滅ぼしかけているのは周知の事実です。この本を読んで、自然と人間の関わり方について、もっと熱心に考えたいと思うようになりました。

written by polepole, published on 01. 07. 2010




(Book) ローマ人への20の質問   塩野七生 著

ローマとその時代については、この人の著作を読むのが最も手っ取り早いという感があります。しかし、彼女の著作はとても分厚くて量も多いので(もちろんそうならなくてはならないほど奥の深い世界であるからなのですが)、なかなかスイスで簡単に手に入れるという訳にもいきません。しかし、この本はコンパクトな新書で、しかも質疑応答という形をとった、読み切り風のエッセイなのでとても楽に読むことができました。

多神教について、女について、奴隷について、市民権についてなど、それぞれの切り口は現在の常識との違いなども含めてとても興味深く、飽きさせないように書かれています。

written by polepole, published on 01. 07. 2010

 

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